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マーケティング

営業重要

営業が会社の機関車


日本電産が赤字会社を速攻で再生できたワケ
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再建に向かう際、永守重信社長から真っ先に言われるのが、意識改革、企業カルチャーを変えろ、です。再建メソッドに対する受容マインドをまず上げておく必要がありますから。そしてA3の紙を1枚ポンと渡される。日本電産芝浦の再建のときは「1年以内の売上高倍増」、そしてたった1行「営業マン1人当たり訪問件数月100件」と書いてあった。月20件だったのを100件に上げれば、引き合いは増え受注件数は増え、売上高は上がる。従業員全員をやる気にさせる、そこを徹底するカルチャーにするのです。

日本電産のスピード感覚はハンパなものじゃない。会社全体にスピード感が行き渡り浸透している。見積もり作成に1週間もかけるな、より早く、ライバルよりも断然早く。他社なら1カ月かかる試作品も1週間で仕上げろと。ライバルはついていけなくなり次々脱落していった。最終的には精密小型モーター世界シェア80%を達成するわけですが、競合が消えても手を抜くことがない。会社のDNAとしてしみ付いているわけです、スピード感覚が。

そして会社の機関車は営業、開発・工場は支援部署。市場にいちばん近い部門が会社を引っ張れと。

スピードと徹底」の日本電産流カルチャーが武器になると力説する。『日本電産流「V字回復経営」の教科書』を書いたDANTOTZ consulting代表の川勝宣昭氏に詳しく聞いた

川勝宣昭(かわかつ のりあき)/1942年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、日産自動車入社。中近東アフリカ事業本部部長、南ア・ヨハネスブルク事務所長など歴任。98年日本電産にスカウト移籍。取締役経営企画部長(M&A担当)を経て、日本電産芝浦専務、日本電産ネミコン社長歴任。2008年経営コンサルタントとして独立。(撮影:梅谷秀司)
トヨタ自動車がなぜあれほど強いか。トヨタは「カンバン方式」などメソッドの宝庫です。でもそれと同等以上にフォローの強さがある。未達に対して徹底的な再発防止策を講じる。日本電産にも未達を許さないカルチャーがある。未達しないための準備を重ねる。売上高計画達成が微妙なときに、未達は不可というカルチャーが浸透してると、どうしたらいいか必死で考えますよね。既存領域でまだ拡販余地はあっても、新規客の訪問をかけようとか。あるいはまったく違う提案をしてみようとか。営業マンがどんどん考える営業マンになります。それが大事で、それがフォローの重要性なんです。

強化策のひとつに、週次管理があります。1週ごとに月末着地見込みをにらんで、未達の可能性があれば挽回策を練る。着地をブレさせない。

組織体質を変える一番の早道は
──カルチャー改革の早道は「形」から入ること、とか。

その第一歩が、まず訪問件数を100件に上げろ、なわけです。整理・整頓・清掃・清潔・しつけの「5S」もしかり。まず実践の場で形、行動から入らせる。それを繰り返して固め、思考様式を変えていくことが、組織体質とカルチャーを変える一番の早道です。会社の改革は人の改革ですから、着慣れた服を脱いで新しい服に着替えてもらわなきゃいけない。それは着づらいし着たくないかもしれない。でもそれじゃ変化はない。韓国・中国のような、コピーも速い一点突破・集中型ガムシャラ経営が台頭するレッドオーシャン時代には、スピードと徹底を身につけないと蹂躙(じゅうりん)されてしまう。

営業改革からコストダウンの手法、リーダーシップと企業カルチャーの変革にまで及ぶ。独自開発した図表をふんだんに用いながら、メソッドを実践することで、カリスマ経営者でない普通の企業経営者でも、日本電産流の速攻・即効経営の成果をあげることをめざす。経営者、経営管理者にとって、類書にないきわめて詳細かつ具体的な手法に踏み込んだ「全社改革」の指南書。

【主な内容】
プロローグ
第1章 なぜ今、日本電産流経営が必要なのか
第2章 営業強化 分析のメソッド
第3章 営業強化 計画のメソッド
第4章 営業強化 実行のメソッド
第5章 営業強化 フォローのメソッド
第6章 コストダウンと利益創出のメソッド
第7章 スピードと徹底を究める
第8章 企業カルチャーを変革する
参考文献

日本電産流「V字回復経営」の教科書

「ここまでやれば必ず変えられる!」がこの本の宣伝文句。日本電産時代の買収先の再建、独立してからのコンサル活動を通して、会社は変えられるという変なクソ自信がついちゃいましたね。独立する際に永守さんに書いた「たった7年在籍しただけの日本電産で学んだものは、三十数年いた日産の数百倍以上だった」というのは本当の気持ちです。