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マーケティング

経営計画かくあるべし

プレジデント記事
計画未達で今期何をするのかが重要


私が在籍していた時代の話ですが、日産自動車では、前期の業績が予定に達しなかった場合、その理由について滔々と説明が行われていました。なぜ計画が未達に終わったのか、社内にこういう事情があった、ライバル社の動向がこうだった、全体の経済状況がどうだった……と、綿密で精緻な分析が延々と語られます。

では、その結果や分析を受けて、今期はどうすべきかということになると、分厚い報告書のうち、最後の1、2ページにあるだけ。そこに到るまではすべて、前期できなかった理由の解説で埋められていました

できなかった理由を並べても意味がない

ところが、日本電産は……というと、前期の実績に関しては、○△×のマークだけです。計画どおり達成できたなら○印が記してあるだけ。8割ほど実現できた場合は△。8割以下なら×。たったこれだけです。

経営計画発表の席では、パワーポイントで作成した資料をモニターに映し出しながら説明するのですが、「前期」に関する結果報告のページはこれらのマークだけしか書かれていませんでした。私も、日産から転職して初めてそれを見たときは、本当にびっくりしたものです。

反対に、前期の結果を受けて来期はどうすべきか、何をやるか、どうやるかということが、経営計画の資料にはたくさん書いてあります。資料のページのほぼ全部は、計画達成のためにこれからすべきことについての記述で埋まっているので

本記事は書籍『日本電産永守重信社長からのファクス42枚』(川勝宣昭著)からの抜粋です。