ストッパー
ストッパー
手間、やりにくくする 、宣言する
ご褒美 コントロールできるようにする
東洋経済記事
仕事のスタートラインに着く頃には気力体力もすり減っています。この障害物をできるだけ取り除き、いち早く、それもよいコンディションで立つために役立つのが、「ストッパー」と「ドライバー」と「ルーティン」という3つのものです。
やめるべきことをくい止めるのがストッパー
やるべきことにいち早く手をつけるのを加速するのがドライバー
目の前の仕事に向かう気持ちに火をつけるのがルーティン
ストッパーとはその行為をしにくくするためのちょっとした仕掛けです。たとえば、どうしてもSNSにアクセスしたくなるという場合のストッパーとしては、自動ログインではなく、都度ログインする設定に変え、毎回パスワードを入力しないとアクセスできなくしてしまいます。パスワードは長めのものにするとなおよいでしょう。さらに強力にストッパーをかけたいのなら、アイコンやアプリを削除してしまってもよいでしょう。
テレビをつけてしまうのであれば、主電源を切ってしまう、毎回リモコンを引き出しにしまってしまうなどがストッパーになります。今の時代はなんでもワンタッチですぐにできるようになっていますが、それと逆行するように手間を増やしておくのです。手間がストッパーになるので手間かけストッパーと呼んでいます。
この“手間かけストッパー”が効かない場合には、人にストッパーになってもらいます。身近な人に「私は今日から仕事中には◯◯をしないことにする」と宣言し、1週間終わったところで報告します。さらにストッパーとしての威力を強めたい場合には、1週間の初めに1万円を渡しておき、見事やらずに済んだら全額返還、やってしまったらその回数に応じて返金を減額するなどのルールを設けてもよいでしょう。
集中を妨げてしまうものから物理的に離れるというのも、ストッパーになります。会社の席にいると、人に話しかけられて集中できないという人も多いでしょう。どうしてもそのせいで仕事に支障が出て厳しい場合には、会議室を予約してこもる、社外でもできる仕事であればカフェや図書館にこもるのもオススメです。最近では、パーティションで区切られていたり、電源やWiFiが整備されているなど、落ち着いて考えたいときにはとても便利です。
とはいえ、単純にすべてが絶対にやめなくてはならない悪い癖というわけではありません。息抜きやストレス解消は絶対に必要です。これらはすべてカットするのではなく、仕事の区切りに「ご褒美」として取り入れることで、仕事のスピードアップと楽しみを両方得ることができます。
・甘いものなどはダラダラと仕事をしながら食べるのではなく、仕事が完了したら、おいしいコーヒーと少し高価なお菓子をいただく
・午前中に大きな仕事を片付けたら、昼はSNSに書き込みする
・気乗りのしない仕事を時間内に終わらせたら、ハッピーアワーで5時から飲む
やめなくてはいけない悪癖か、リフレッシュするための息抜きかは、自分がコントロールできるかどうかによります。自分でコントロールできれば息抜きですから罪悪感を抱くことはありません。もし、ズルズルとやめられなければ、ストッパーを考えてみてください。