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事業承継にも参考になるが、投資もね

東洋経済記事
年収3億円を稼ぐ74歳会長の衰えない投資熱

存在意義

茨城県で創業90年を超える老舗精密機械系メーカーの会長を務める。東京理科大学卒業後の50年前に家業に入り、20年前から4代目社長として経営の舵を取ってきた。入社当時15億円程度しかなかった売上高は現在約300億円。従業員数は現在500人を超える。本人の年収は3億円前後だ。

会社を大きくさせた最大のターニングポイントは、40年前に自身がエンジニアとして開発した、車のワイパーなど、ゴムと鉄を接着する独自技術。大手自動車メーカーや通信機器メーカーも古くからの取引先で、「ウチの技術はそうそうまねできないよ」と自信をのぞかせる


私は始めたときからすでに出来上がった事業があったんだよね。事業を時代に合わせた形にして、必要ならM&Aもやってということでここまできた。なにせ今まで必要であったモノやヒトが、必要でなくなる可能性が強い時代に突入するわけだから私の後はかなり大変なはずだ。オーナー経営者である必要はないとも思っているよ。会社としてのレゾンデートルが問われることもあるだろう。だから、海外にチャンスを見つけに来たんだよ」


そんな清宮さんがとても熱心にビジネスの研究をしている分野が3つあるのだそうだ。1つ目が太陽光発電。それがプロフィットに結び付く、となった数年前に多額の銀行借り入れをして大企業が驚くくらいの用地買収、太陽光発電設置に動いた。「もちろん、もうほぼ回収済み」で、400億円の設備投資は5年で650億円になったというから「大成功のビジネス」と本人が胸を張るのもうなずける。

2つ目がロシアへの投資だ。2年ほど前から原油の値段が下がったことをきっかけにロシア経済が不安定になったことを「チャンス」ととらえ、積極的なロシア株の買い増しに動いたという。日本円で80億円を超えるロシア株は現在価値で110億円程度になっているが、「まだまだ伸びるはずだよ」と本人は売り時ととらえていない。想像を超えた現地調査と投資額の決断を実行するスピードにはいつも舌を巻くが、やはり一流の投資家というのはそういうものなのだろう。

3つ目が船関連ビジネスの買収だ。景況感に大きく左右される印象の強い船関連のビジネスだが、「モノを運ぶってなくなるはずがない」と言い切り、取締役会の説得に動いているという。こちらはまだ設備投資前の段階だが、「数百億用意する必要があるね」と言い、取締役会のメンバーもさぞかし大変なんだろうな、といつも感じている。

共通するキーワード

これら3つのビジネスに共通するキーワードを挙げるとすれば、「差」に対する感度、ということになるだろうか。「地域差」もあるだろうし、「情報差」もあるだろう。または「時間軸としての差」もあるだろうし、もちろん「為替差」もあるだろう。

清宮さんは言う、「人はそれぞれいろいろ考えて動くわけだから、いろんなところに差が生じる。それは当然だし、儲けにつながる。差が生まれそうな最初のところでガシッとつかまないとね。ニッチビジネスと呼ばれるものがあるが、私はあれには反対。参加者が少ないと差が生まれにくいから大きくならないよ」。